新人類が誕生してから約20万年
近年になり、腸内細菌と健康との深い関係が科学的に明らかになってきました
しかし近代に入り、食文化の変化によって腸内細菌が減少し、
それに伴う健康状態の悪化が指摘されています
現代の食生活は、昔ながらの自然な食事から大きく変化してきました
小麦(グルテン)、食用油、甘いスイーツ、インスタント食品やファーストフード
さらに食品添加物や遺伝子組み換え食品など、
これらの変化が腸内細菌のバランスに影響を及ぼしているといわれています
腸内環境が整い腸が元気になることで、次のような多くのメリットが得られます
疫細胞の約70%は腸で作られます
腸内環境を整えることで免疫力が向上し、健康維持やアンチエイジングにもつながります
風邪やインフルエンザを防ぐだけでなく、腸内細菌は活性酸素を抑制し、心筋梗塞・脳卒中・糖尿病といった生活習慣病の予防にも役立ちます
腸内の免疫細胞が病原菌を排除し、下痢や嘔吐といった反応で体外に排出する防衛機能が働きます
腸内細菌はセロトニンやドーパミンをつくり出して脳に届け、心の健康や幸福感、ストレス耐性を支えます
腸内細菌だけが体内でビタミンを合成できます
不足すると代謝の低下や精神の不安定さにつながります
腸が元気であれば便秘が起こりにくく、栄養の消化・吸収・排泄がスムーズに行われます
東京大学名誉教授の光岡知足氏は、「善玉菌・悪玉菌」という言葉の名付け親であり、1953年以降、腸内細菌の研究をリードしてきました
光岡氏:腸内フローラを健全に保つ食生活として、これまで乳酸菌のエサとなる食品を摂る「プレバイオティクス」やヨーグルトのような 「生きた乳酸菌」を含む食品を摂る「プロバイオティクス」 が推奨されてきましたが、 それでは「死んだ菌は摂っても意味は無い」 ということになる。
それは正しくありません。
実際には、生きた菌・死んだ菌に関わりなく、 菌体成分や菌が作り出した物質が腸に作用するのです。
私は 「生きた菌」を重視し過ぎるイビツさを改善するために、 「プロバイオティクス」に代わる 「バイオジェニックス」という新しい概念を提唱しています。
そもそも乳酸菌は、体に良いものだけを生み出す性状を持っています。
乳酸菌の作るものに毒になるものはないのです。
御社が試行錯誤の末に辿り着いた筋群を、食品分析センターで同定したところ、16種35株という結果だったということですが、 それで必要十分です。
私の唱えるバイオジェニックス論では、 乳酸菌の概念として、死菌も含めた菌体成分と代謝産物 (乳酸菌生産物質)を合わせて重要だとみています。
つまり、 乳酸菌が発する粘性のある成分や、 乳酸菌を培養した培養液も重要なものです。
現在では、乳酸菌が代謝する物質の有用性が研究によって証明されてきているが、 光岡氏はいち早くその重要性に気付き、独自の定義となる「バイオジェニックス」として提唱していた。
その思想は村田会長が引き継ぎ、ようやく世間が追い付いてきた格好となっている。
同社では、このバイオジェニックスをさらに突き詰め、菌の研究やゲノム解析などの研究、開発を総合的な視野に立って考える「ラクトバイオーム」と呼称し、事業推進の根幹にしている。
食べ物はそのままでは体に役立ちません
腸内細菌は消化・発酵の過程で糖やタンパク質を分解し、
アミノ酸・ビタミン・有機酸(短鎖脂肪酸)などを生み出します
これらは小腸で吸収され、体を支える大切なエネルギー源となります
添加物、アルコール、抗生物質、抗がん剤などは、腸内細菌を減少させる要因となります
腸内細菌は食べ物を分解し、体に役立ついろいろな成分を生み出しています
これらは私たちの健康を守るうえで欠かせない存在です
体をつくる基本の材料で、筋肉や肌、血液などあらゆる
組織に欠かせません
アミノ酸がつながった小さな栄養素で、吸収が早く、
免疫や疲労回復をサポートします
腸を酸性に保ち、悪い菌の増殖を抑え、消化やミネラル吸収を
助けるはたらきがあります
腸内細菌が食物繊維を発酵させてつくるエネルギー源
炎症を抑え、免疫力を高めます
強い抗酸化作用を持ち、体の老化や病気を防ぎます
血管や脳を守るはたらきもあります
代謝を助け、エネルギーづくりや免疫維持、
精神の安定に関わる大切な栄養素です
新しい細胞づくりや若々しさの維持に役立ちます
腸内細菌が生み出すこうした成分は、体を「つくり」「守り」「元気に保つ」ための心強い味方です
長年の研究により、乳酸菌が発酵の過程で生み出す「乳酸菌生産物質」には、アミノ酸・ペプチド・短鎖脂肪酸・ポリフェノール・ビタミンなど、多彩な成分が含まれることがわかってきました
これらの成分は腸内環境を整えるだけでなく、全身の健康や肌の調子にも関わっていることが、少しずつ明らかになっています
最新の研究で、乳酸菌生産物質に含まれる有効成分「トリリノレイン」が、肌の水分保持に重要なアクアポリンの発現を促進することが明らかになりました
順天堂大学との共同研究により特許も取得されており、今後は美容・健康分野への応用が期待されています
肌のバリア機能向上やアンチエイジングへの効果も示唆され、科学的エビデンスに基づいた新たな展開が進められています
腸内細菌の研究から、健康寿命を延ばすためには腸内フローラの改善が欠かせないことが明らかになっています
食生活や生活習慣を見直し、腸に優しい暮らしを心がけることが、免疫力や体調の維持に大きな鍵となります